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コラム

操作盤と制御盤の違い、設計時の注意点と実用例を解説

制御盤

工場や産業現場での効率的な作業や安全な運転には、操作盤や制御盤が欠かせません。 これらの機器の性能は作業効率の向上に大きく寄与します。 また、近年注目されているグラフィックパネルは、視覚的にわかりやすい情報提供を実現し、さらに操作性を向上させます。

本記事では、操作盤・制御盤の基本知識から設計ポイント、グラフィックパネルの特徴まで詳しく解説していくので、ぜひ最後までチェックしてください。

操作盤・制御盤とは?その概要と基本知識

操作盤や制御盤とは、工場やビルなどで使われる設備を安全かつ効率的に動かすための装置です。 操作盤は、作業者が設備を「動かす・止める」といった指示を簡単に出せるよう、ボタンやスイッチが付いています。

一方、制御盤は、その指示を受けて機械を動かすための「頭脳」の役割を果たします。電気の流れや機械の動作を制御し、設備が正常に動くように管理しています。 どちらも安全に作業を進めるためには欠かせない装置で、日常の機械や設備を支える重要な存在です。

操作盤とは何か?

操作盤についてもう少し詳しく解説していきます。 操作盤は機械や設備を操作・監視するための制御装置です。 操作盤にはボタン、スイッチ、ランプ、メーターなどが取り付けられており、作業者はそれらを使って機器の動作をコントロールします。 運転状況やエラー情報を視覚的に確認できることから、効率的かつ安全に作業を進める上で欠かせない設備の一つです。

また、現在ではデジタル技術が取り入れられた操作盤も多く、タッチパネルやプログラム制御機能を備えているものも増えてきています。 さらに、操作盤には異常が発生した際にアラームを発する機能もあり、迅速な対応を可能にすることで機械の安全性と効率性を高めています。

制御盤・配電盤・分電盤それぞれの特徴

制御盤、配電盤、分電盤は、いずれも工場や建物の電気設備に欠かせない装置ですが、それぞれ役割が異なります。

制御盤:配電盤から供給された電気を用い、機械システムの動作を管理・制御するための装置です。 工場の生産ラインなど、複雑なシステムを制御するために使われ、主に機器の運転・停止や速度調整などの操作を行います。

配電盤:発電所から高圧電力を適切な電圧に変換して、制御盤や分電盤などへ電気を供給するための装置です。 配電盤は主にキュービクル型と呼ばれる金属の箱に収納されており、高い安全性が確保されています。 主に学校やビル、工場など大規模な施設で使われます。

分電盤:配電盤から供給された電力を、ブレーカーと漏電遮断器を経由してさらに細かく分配するための装置です。 一般家庭や小規模な施設で使われることが多く、電力を安全に各部屋や設備に届ける役割を果たします。

様々な電気盤の種類

電気盤には、制御盤、配電盤、分電盤の他にも多くの種類があり、それぞれ異なる役割を担っています。例えば、電気的な動作状態を監視するために使用される監視盤や、非常用電源を含む設備の電力供給を自動的に制御するために使用される自立盤など役割は様々です。 これらは用途や規模に応じて使い分けられており、現場のニーズに合わせて設計・配置されています。

操作盤の設計と制作のポイント

操作盤の設計と制作においては、操作性の向上や、誤操作を防ぐための工夫が求められます。これらの要素を達成するためには、 操作盤のレイアウトや表示、操作性に関する設計上の留意点をしっかりと考慮する必要があります。

操作盤設計時の注意すべき留意点

操作盤を設計する際には、作業効率を高めるために、ボタンやスイッチの配置、表示の視認性、 操作性の向上に関して多くの工夫が必要です。これらの設計ポイントを押さえることで、 作業者の誤操作を軽減し、迅速かつ正確な操作の行える環境を提供することが可能となります。

また、環境に合わせた耐久性や防護対策も重要な要素です。これらの具体的な点について、さらに詳しく見ていきます。

 

表示色の選定基準

  

操作盤における表示色は、作業者が瞬時に機器の状態を判断できるようにするため、色の選定基準が重要です。一般的に、赤は警告、緑は正常、黄色は注意を表す色として用いられ、これらの色分けによって作業者の判断ミスを防ぐ役割を果たします。 また、色の選定には統一性が求められ、全体のデザインと整合性を保つことが望まれます。

 

操作部品の配置方法

 

操作盤の設計においては作業者が無理なく操作できるよう、操作用台座の配置も重要です。頻繁に使用するボタンやスイッチは、作業者が自然な動作でアクセスできる配置が理想的といわれています。 さらに、作業フローに沿った台座配置により、作業効率を最大化し、無駄な動作を最小限に抑えることが可能です。  

誤操作防止の設計と操作性の確保

 

操作盤の設計には、誤操作を防ぐための仕組みが組み込まれている必要があります。ボタンの大きさや配置、操作時のフィードバックが明確に表示されることが求められ、作業者が誤ってスイッチを押さないような工夫が必要です。 また緊急時、迅速に操作できるよう緊急停止ボタンや重要なスイッチの位置にも特別な配慮が求められます。  

操作盤の設計における重要ポイント

操作盤の設計においては、単に機器を動かすためのツールとしてだけでなく、作業者の安全や効率性を確保するための重要なポイントがいくつかあります。 これらの要素を適切に考慮することで、操作盤は効果的に機能し、現場のニーズに応えられるようになります。

安全性の向上

操作盤の設計において、重要な要素の一つが安全性です。作業員が操作を行う際に、誤操作や事故を防ぐため、ボタンやスイッチの配置や表示方法に細心の注意を払う必要があります。また、 過電流や過負荷を防ぐための保護装置を取り入れることや、緊急停止ボタンの位置も考慮し、迅速な対応ができるようにすることが重要です。

メンテナンス性の考慮

操作盤の設計では、メンテナンス性も重要な要素です。定期的な点検や故障時の修理が容易に行えるよう、内部構造やケーブルの取り回しを整然と配置し、 アクセスしやすくすることが求められます。メンテナンスが簡単であるほど、ダウンタイムを短縮し、効率的な運用が実現できるでしょう。

コスト管理

操作盤の設計には、コスト管理も重要です。高性能な部品を採用することが求められる一方で、予算内に収めることも考慮しなければなりません。そのため、必要な機能を満たしながらも、コストパフォーマンスの高い部品や設計方法を採用することがポイントです。 また、長期的な視点で運用コストを最小限に抑えるための設計も重要です。

操作性の確保

操作盤の設計において、作業者が効率的かつ正確に操作できる環境を整えることは不可欠です。ボタンやスイッチの配置を人間工学に基づいて設計し、操作性を高めることで、作業ミスを減らすことができます。 また、視覚的なフィードバックや操作音など、作業者が状況を瞬時に把握できる工夫を取り入れることも、操作性向上に繋がります。

操作性を高めるグラフィックパネル

グラフィックパネルとは、構造を表示させるパネルを指します。操作性を向上させるために導入される重要な機器の一つです。工場や産業現場で複雑なシステムを制御する際には、 視覚的にわかりやすく情報を提供するグラフィックパネルが作業の効率化に大いに貢献します。

グラフィックパネルの特徴と用途

グラフィックパネルは、従来のテキストや数字だけの表示に比べて、より視覚的に情報を提供するために設計されています。 例えば、工場の設備状態をリアルタイムで示すグラフや図が表示されるため、 作業者は直感的に設備の動作状況を把握することが可能です。

また、警告やエラーを視覚的に目立たせることで、異常時の対応が迅速に行えるようになります。このような特徴により、グラフィックパネルは、生産ラインの監視や設備の遠隔操作において、非常に有効なツールとなります。

グラフィックパネルの方式

グラフィックパネルは表示方法によって簡易方式と彫刻方式に分けられます。 簡易方式では、ドットマトリクスという技術で点をつなげて情報を表示するため、 高い精細ではないもののコストが低く、省エネ性能に優れているのが特徴です。

一方、彫刻方式は、パネルを彫刻し、光を透過させることで高精細な表示を実現します。 この方式は見た目に優れていますが、デザイン変更の際にはコストや作業負担が増える傾向もあるため注意が必要です。
多色を必要とするグラフィックパネルについては、インクジェット印刷も有効です。 コスト・納期も大幅に削減することができます。また、最近では、大型ディスプレイに監視画面を投影する方式も増え、 柔軟な表示が可能になっています。
一方で、大型の建物やインフラ関連などでは、ディスプレイや電気系統の故障を懸念して、 アナログな従来方式が根強く採用されている側面もあります。

制御盤の設計と製作フローについて

制御盤の設計と製作には、効率的なフローが重要です。製作過程では、設計から部品の選定、組み立て、テストまでの一連の流れが円滑に進むようにする必要があります。 また、正確な設計と信頼性のある部品選定により、制御盤の品質が大きく左右されます。

製作仕様書の作成方法

制御盤の製作は、まず製作仕様書の作成から始まります。製作仕様書には、制御盤が果たすべき機能や要件が詳細に記載されており、 この仕様書に基づいて具体的な設計が進められます。仕様書には、電気的な要件や動作環境、使用する部品の詳細などが含まれ、 設計者はこれに従って回路設計を行っていくといった流れです。

この段階でクライアント様や設計者、製作者に認識の違いが生じると、あとからトラブルになる可能性があるため、 入念な打ち合わせが求められます。

電気回路の設計と部品手配の流れ

仕様書作成の次に行うのは電気回路設計と部品の発注です。必要な回路図を作成し、どの部品を使用するかを決定し、発注します。

設計は、総合電気設計が行えるEPLANを使用して行うことが一般的です。 EPLANは電気回路の設計と同時に筐体及び内部の3D設計もできるため、作業工数を大幅に削減できるため多くの企業が採用しています。

電気配線の方法と注意点

部品が揃ったら、次に行うのは制御盤内の配線です。配線の際には、安全性を確保するため、適切な電線の太さや配線経路を選定し、 過電流や短絡を防ぐための対策を行います。また、配線ミスが発生しないよう、事前に十分なテストを行うことが重要です。

制御盤に使用される電子部品の種類

制御盤の中には、様々な電子部品が組み込まれています。それぞれの部品には特定の役割があり、 制御盤全体の機能を支えています。ここでは、特に重要な部品について見ていきましょう。

ブレーカー

ブレーカーは、電気回路に過剰な電流が流れた際に、自動的に回路を遮断するための重要な装置です。これにより、配線や機器が損傷するのを防ぎ、火災や事故のリスクを低減します。 ブレーカーは、過電流が発生した際に迅速に反応し、回路を安全に遮断することで、作業者や設備を保護する役割を担っています。

リレー

リレーとは制御回路で使われるスイッチング装置です。外部から電気信号を受け取り、電気回路のオンとオフの切り替えを行います。 低電圧の信号を用いて高電圧の回路を制御できるため、大きな電力を安全に操作することが可能です。

UPS

UPS(無停電電源装置)は、停電時や電力供給が不安定な状況でも、一時的に電力を供給し続けるための装置です。これにより、制御盤が電力喪失によるトラブルを回避し、 重要なシステムやデータを保護することができます。特に、システムの安全なシャットダウンや一時的な運転継続が必要な場合に活躍します。

その他の部品

制御盤には、ブレーカーやリレー、UPSの他にも多くの部品が使われています。例えば電流計や電圧計、熱による機器の破損を防ぐ役割を持つ温度センサーなどがあり、それぞれが制御盤の機能を最適に保つために必要不可欠です。 これらの部品が組み合わさることで、制御盤全体の信頼性と安全性が保証されます。

操作性の高いグラフィックパネルなら目黒工芸社に!

グラフィックパネルを導入することで、作業の効率化や操作ミスの防止が可能です。 目黒工芸社では、設計から製作、納品までの一貫した生産システムを構築することで徹底した品質管理を行い、 最良の製品を提供しています。操作性を重視した設計や、作業現場での実用性に優れたグラフィックパネルをお探しなら、 目黒工芸社にぜひご相談ください。従来の彫刻方式に加え、インクジェット、簡易的なシート貼りなどご予算や用途に応じてご提案することが可能です。 実績豊富な設計担当者もおりますので、デザイン性の面でも柔軟に対応できます。

モザイクグラフィックパネル

モザイクグラフィックパネル
製作方法:樹脂部品に彫刻、塗装

アクリルグラフィックパネル

アクリルグラフィックパネル
製作方法:アクリル裏面から彫刻、塗装

シルク印刷グラフィックパネル

シルク印刷グラフィックパネル
製作方法:塗装板金にシルク印刷

納品までの流れ

まずは納期・価格・品質についてのご要望を伺い、ベストな仕様・工程を検討いたします。次に、専任の技術者が綿密に検討を行い、CAD・イラストレーターにより図面を設計し、データ・版下を作成。熟練の手加工技術と最新の設備システムを駆使し製品を製作いたします。 製作後は、厳密な品質チェックを行い、問題がないことを確認してからの納品ですのでご安心ください。

彫刻操作パネル

彫刻操作パネル
製作方法:アルミに彫刻

アクリルグラフィックパネル1

アクリルグラフィックパネル
製作方法:アクリル裏面から彫刻、塗装

シルク印刷操作パネル

シルク印刷操作パネル
製作方法:塗装板金にシルク印刷

まとめ

操作盤や制御盤は、工場や産業現場での効率的な作業や安全な運転を支える重要な機器です。 操作性や安全性、メンテナンス性を考慮した設計が、現場での円滑な作業を実現します。

グラフィックパネルの導入により、視覚的な操作性が向上し、作業者が直感的にシステムを把握できる環境を整えることが可能になりました。 目黒工芸社では、お客様のニーズに合わせた高品質なグラフィックパネルや制御盤パネルを提供し、製作から納品、アフターサポートまで一貫して対応しています。 制御盤や操作盤等のグラフィックパネルに関するご相談があれば、ぜひ目黒工芸社にご連絡ください。

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